はじめにお読みください

当サイトでは「舌癒着症」という病気についての情報を扱います。

この病気の構造や治療法は、わりとシンプルです。一方で、非常に多様な症状が現れることと、現代の医学界においてかなり特殊な扱いをされている、という特徴があります。そこで、

(1)どんな病気か?
(2)どんな症状があるのか?
(3)どうすれば治療できるのか?

ということを、まずは知ってほしいと思います。


どんな病気?:舌が短くて、呼吸にも悪影響が出てしまいます


「舌癒着症(ぜつゆちゃくしょう)」とは、舌の裏側にある「舌小帯(ぜっしょうたい)」という部分が生まれつき短く、舌が引き攣れてしまい、おっぱいが上手に飲めなかったり、発音が上手にできなかったりします。また、(詳しくは後に説明しますが)呼吸にも悪影響を及ぼします。

同時に、上あごと上唇の間にある「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」が短い人も多く、こちらも鼻の通りが悪い原因なっているようです。

周囲の人に「舌が短いね」とか、「舌小帯を切ったらいいんじゃない?」と言われることがあったら、舌癒着症のことを指摘されたと考えられます。

舌が短くておっぱいが飲めない、発音ができないという話までは理解できる。けど、なんで舌が呼吸とも関係あるの? と思った方も多いと思います。


舌癒着症が喉頭偏位(のどの歪み)を引き起こし、呼吸障害を起こす、という指摘を行っているのは神奈川県大和市にある向井診療所の向井將先生です。

舌の筋肉はのどの奥まで繋がっているので、舌の付き方の異常が、のどにも影響を及ぼし、上手に呼吸が出来なくなってしまうのです。起きて意識があるときは呼吸しやすい姿勢を取れるのですが、寝ているときや、授乳中などに問題が現れます。

しかし現状、医学会の大半は、上記で引っかかった方と同様、これにピンと来ていないようです。というか「舌癒着症が呼吸障害を起こす」という見解に対して否定的です。

「舌癒着症」という概念を病気と認めるかどうか? 認めるとしたら、それは舌オンリーの問題なのか、喉頭偏位による呼吸障害も伴うのか? といった認識が医師によって違っているのが、舌癒着症の現状です。命に関わる病気であるという確証もないのに、小さい子にメスを使うことには反対である、と考える医師もいます。

※もっと詳しく→舌癒着症とは

どんな症状?:舌と無関係に思える症状も、舌癒着症が原因かもしれません

呼吸が上手にできない、という状態は、人間の生理機能のさまざまな面に影響を及ぼし、いろんなトラブルの元となります。しかも、向井先生によるとヒトの94%は舌癒着症を持っており、全体の27%は重度の舌癒着症だとされます。

4人に1人が、このほとんど知られていない障害のヘビーなやつを持っており、知らずに暮らしている。または別の病気だと思われていたり、具合が悪いのに「原因不明です。とりあえず様子を見ましょう」などと言われているのだとすると、なんとも言えない気持ちになります。


例えば、呼吸障害で酸素が十分に体を巡らないことから、赤ちゃんの手足が冷たくなったり、チアノーゼなどの症状が現れます。これらは小児科に行くと循環器系の障害だと疑われることもありますが、循環器系の検査を一通りやっても異常が見つからない場合、実は舌癒着症が原因だった、という可能性があります。わが家の息子がそうでした。

また、おっぱいを上手に飲めない、哺乳時に苦しそうにしたり、飲みながらすぐ寝てしまう、といった症状もよく見られます。これらは肺や気管支など呼吸器系の障害だと疑われることもありますが、呼吸器の検査を一通りやっても異常が見つからない場合、舌癒着症が原因である可能性があります。わが家では呼吸器の検査もやりました。

呼吸障害による酸素不足はそのほかにも、心の成長に影響して「キレやすい」子どもを作る下地となったり、逆に引っ込み思案で気が弱い子となってしまったり、代謝が不十分なことからアレルギー体質になりやすかったり、さらに長じては睡眠時無呼吸症候群の原因になったりもするそうです。

このように身体の異常が心にも影響を及ぼすのは、例えば「おなかが空いているときは怒りっぽくなる」とか、「眠いと正常な判断ができず、ヤケになりがち」といった現象を考えると、納得できることです。

こうしたさまざまなトラブルに心当たりがある場合、舌癒着症が原因となっている可能性を考えてみると、解決の糸口が掴めるかもしれません。

※もっと詳しく→赤ちゃんに見られる舌癒着症の症状

ただし上記で「舌癒着症の症状」として挙げているものの全てが、本当に舌が原因だとは限りません。本当に循環器や呼吸器の異常である場合もありますし、これらの問題が舌癒着症の治療で100%改善するとも言い切れない、というのが現実です。

治療法は?:舌癒着症に詳しい医師を選びましょう

「舌癒着症かな?」と思ったら、お近くの小児科ではなく、舌癒着症による呼吸障害に理解のある病院に行きましょう。上記のように舌癒着症は複雑な事情を抱えているため、並の小児科ではたいてい「舌癒着症? んなこたーない」的な診断になるようです。

また、舌癒着症を一応知っているレベルではダメで、呼吸障害のレベルまで認識している先生に診てもらうべきです。

※もっと詳しく→どこの病院に行けばいい?

当サイトでは、「舌癒着症の手術があらゆる症状を改善できる。だから絶対やるべき!」などとやみくもに手術を勧めるつもりはなく、できるだけ中立的な視点を保ちます。可能な限りあらゆる視点からの情報を集めて、できるだけバイアスをかけない形で整理して、ご提供しますから、後はご自分で(医師と相談しつつ)判断してください、というのが基本的な姿勢です。

前述のように舌癒着症の手術に反対する専門家もいますし、必ずしも、舌癒着症の手術が全てを解決してくれるとは限りません。また、私は責任を持って手術をおすすめできるような立場でもありません。


周りの人に教えてあげてください。また、体験談をお聞かせください


舌癒着症は、潜在的な患者はものすごく多いはずなのに、ビックリするほど知られていない、という非常に特殊な状況にある病気です。周りに育児で悩んでいる人、心当たりのある症状の人がいたら、ぜひ、ひとつのヒントとして、この病気のことを教えてあげてください。

一方、舌癒着症なんて本当にあるのか? 信じられない、という人も当然いると思います。当事者でない人が唐突にこんな話をされてもピンと来ない・信じられない、というのは普通の反応でしょうし、また、生まれたばかりの赤ちゃんに手術を受けさせることに抵抗を感じる、ということもあるでしょう。

こうした人たちに十分な判断材料を提供するためには、実際の治療体験、事例をたくさん集めることが必要だと考えています。

※もっと詳しく→手術の体験談

もし、舌癒着症の治療を経験した方がこのサイトをご覧になっていたら、ぜひ、メッセージや掲示板から体験談をお聞かせください。

また質問等に対しては、私は医療の専門家ではありませんが、答えられる範囲でお答えします。