新生児突然死症候群(SIDS)と舌癒着症(ADEL)
乳幼児突然死症候群(SIDS)は、赤ちゃんが何の前兆もなく、ある時に突然死んでしまうという恐ろしい病気です。現在、原因は不明とされています。
病気の定義など、詳しくは厚生労働省のサイトをご覧ください。
乳幼児突然死症候群(SIDS)に関するガイドライン
乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断の手引き
平成18年度乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間
厚生労働省の定義によると「事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気」で、「解剖しても死因が不明であるもの」が乳幼児突然死症候群とされるので、この定義を厳密にあてはめるとどうなるのか分かりませんが、舌癒着症による呼吸困難が、乳幼児の突然死の原因のひとつであるという説があります。
SIDS対策に見る舌癒着症の影響
乳幼児突然死症候群の発症の危険性を低くするための対策として、
(1)赤ちゃんを寝かせるとき、うつぶせ寝はやめさせる。あおむけ寝にする
(2)できるだけ母乳で育てる
(3)妊婦や赤ちゃんのそばで煙草を吸わない
というものが挙げられています。これを舌癒着症の観点から見ると(1)、(2)について、次のような関連性が考えられます。
(1)うつぶせ寝について:舌癒着症の子には、仰向けだと気道が確保できず、うつ伏せになると比較的呼吸が楽になって眠れる、というケースがあるようです。うつぶせの状態では鼻や口がふさがってしまう危険性が高いですし、また、うつぶせで寝ている間に姿勢(気道の角度も)が微妙に変わり呼吸が困難になって、しかし自力で姿勢を変えることもできず、そのまま窒息死に至ってしまうおそれがあります。
別の考察として、息が苦しくて反り返って寝る子の場合、ずっと反り返った姿勢を続けるのは苦しいので、寝ている間に弛緩してうつ伏せの姿勢になる、すると気道の角度も……という見方もあるようです。
(2)母乳について:舌癒着症の子はおっぱいが飲みにくいので、時には母親の判断とは無関係に、医師の指示や周囲の圧力によってミルクに切り替えざるを得なくなるケースも多くなります。ですから、ミルクの子=舌癒着症が多い、という関連づけが可能です。
現在、乳幼児の突然死と舌癒着症の関連について調査が行われています
神奈川歯科大学の法医学家・山本伊佐夫先生(以降「山本医師」)はご自身のお子さんが舌癒着症の治療を経験したことから舌癒着症に高い関心を持ち、向井医師と共に講演などをされることも多い方です。その山本医師は、乳幼児突然死症候群と見られる赤ちゃんの解剖にあたって、舌癒着症との関係の調査を要請しています。
<法医学関係者へ>乳児突然死の解剖にあたって~舌癒着症の観点から
厚生労働省が音頭をとって舌癒着症との関連を調査している状態でないのには歯痒い思いがしますが、山本医師のもとに集まったデータによって、舌癒着症との関連に注目が高まるかもしれません。
そもそも厚生労働省の定義では「窒息が死因の場合は乳幼児突然死症候群に含めない」ということになるようなので、だとすると、舌癒着症が原因での乳幼児の突然死(睡眠中の死)があるとしても無視されてしまうようになるのでは……というのが心配です。
厚生労働省の定義による「乳幼児突然死症候群」に含まれるにせよそうでないにせよ、重度の舌癒着症が親の少し目を離した間に子どもが死んでしまうというリスクを高める、ということは言えると思います。
舌癒着症講演会2001/12/2
舌癒着症とうつぶせ寝の関係について記されています。
舌癒着症の子どもの呼吸状態について
向井診療所のサイトは2007年頭にいきなり消えてしまったので(プロバイダーの解約か何かが原因だと思われます)、GoogleキャッシュをWeb魚拓で残しました。突然死に至りうる呼吸障害について記されています。