治療の前に心得ておきたいポイント
舌癒着症の治療をするにあたって、あらかじめ心得ておきたいポイントがいくつかあります。
日本の医学界ではほとんど認知されておらず、反対意見もある病気です
向井医師の定義する「舌癒着症」について、日本の医学界ではほとんど認知されておらず、この手術に反対の医師もいます。かかりつけの小児科の先生に手術を反対される、ということもあるかもしれません。情報のない家族や周囲の人が反対するかもしれません。そんな人たちの理解を得る手助けに、このサイトがなれれば良いと思います。
手術は保険適用外で、自費診療になります
舌癒着症の手術は健康保険の適用を受けられず、自費診療になります。自治体の乳幼児向け医療補助も対象外です。
手術費用はおよそ、生後3か月ぐらいまでの身体を固定できる赤ちゃんなら局部麻酔で3万円程度、それ以上の年齢では全身麻酔が必要で20万円弱、大人の局部麻酔による手術は10万弱程度になるようです。
哺乳障害や発音障害が認められる、“一般的に認識されている舌癒着症"の治療(主に口腔外科での)では、保険適用になるようです。その場合、喉頭のゆがみを直して呼吸を改善することを目的として手術にはならず、舌の動きのみを改善するため浅く切る手術になるようです。このあたりは病院によって判断がいろいろ違うようですので、あらかじめ、
・呼吸の改善が期待できるか? それとも舌の動きだけを改善するのか?
・いぜつ筋まで切るのか、もっと浅い部分までしか切らないのか
よく確認しておくと良いでしょう。
さまざまな症状はありますが、全てが舌の手術で解決するとは限りません
舌癒着症の手術をして、すぐに症状のすべてが解決するとは限りません。徐々に変わっていく人もいれば、ある点においては解決しない、というケースもあるそうです。わが家の息子の場合のように、別に原因がある場合や、全身の成長が伴わないと解決しない場合もあるでしょう。
循環器の疾患が疑われるならまず循環器の、呼吸器が疑わしいなら呼吸器の、皮膚なら皮膚の、それぞれ検査を受けてみるのが良いと思います。舌癒着症の手術に過剰な期待をするべきではないと思いますし、他の原因もきちんと調べておかないと、治療法を誤るおそれがあるでしょう。
一方で、舌癒着症の手術によってさまざまな症状が劇的に改善したという声も確かにあります。他のすべての検査をしても「様子を見ましょう」、「成長すれば治りますよ」といった曖昧な結果しか得られないようなら、舌癒着症の可能性を考えて良いのではと思います。
再癒着のリスクがあります
手術後、適切なケアや舌を動かすためのリハビリができていないと、再癒着を起こしてしまうリスクがあります。わが家でも見事に再癒着しましたが、最初に手術した向井診療所では、このあたりあまり適切な説明をしてくれなかったと思います。
赤ちゃんが舌癒着症の手術をすると、呼吸は楽になりおっぱいの吸い方も変わるのでしょうが、舌の動かし方については、おそらく新しい可動域に合わせて変わる子と、それまでと同じ動かし方しかできない子がいるのだと思います。そして、それまでと同じ動かし方のままでいると、再癒着してしまう、ということなのではないでしょうか。
通常、手術の翌日、1週間後、1か月後に検査をしますが、1か月以上経ってから再癒着してしまうケースもあるかもしれません(わが家ではそうだったようです)。手術した直後は良かったけど、やっぱりあんまり効果なかったな……という場合、再癒着の可能性が濃厚だと思います。
赤ちゃんの舌の動かし方を変えるにはどうすればいいのか、はよく分かりません。とりあえずは、定期的に検査してもらうことと、舌が動いていないようなら無理やりでも動かす(スプーンで持ち上げるとか。指を咥えさせてしゃぶらせるのも有効なのかも??)のが大事になると思われます。
感染症に気をつけましょう
手術後、1週間程度の間は傷口への感染症に注意するよう指導を受けます。赤ちゃんの手にはミトンをはめて、口に手を入れることを防ぎます。また、哺乳びんにもいつも以上に気をつけ、口をつけてから時間が経った哺乳びんを再度咥えさせないなど、気を配りましょう。
おっぱいのケアが必要です
舌癒着症の手術後、赤ちゃんは一時的におっぱいを吸うのが下手になります。そのため、お母さんが乳腺炎を起こしてしまうおそれがあります。助産師さんに相談して、マッサージなどを受けるようにすると良いそうです。